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【アイソス番外編】第162号より抜粋 (2012/4/16)
〓〓 認証機関が階段を1つ登る場面 〓〓
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「○○という認証機関からTS審査のノウハウを指導してもらいました。
そこのTS審査員に審査について現場を見せてもらうなどOJTで教えても
らったのですが、当時、おそらく日本で行われていたISO 9001の審査の
中身とは大きく異なっているのが印象的でした。例え、ISO 9001の場合、
審査チームでのぞむ場合、いきなりそれぞれの持ち場に分かれて審査が
スタートするのが一般的でした。それがTSでは、まずトップインタビュ
ーをチームで2時間ぐらいかけて丁寧に行い、その場でプロセスや製品
のリスク分析をするのです。この内容を踏まえ組織としてリスクの高そ
うなポイントを審査チームで共有して、審査現場へと散っていく。その
現場でも各々の審査員は、リスクが高いとされたポイントに関連する項
目に目星をつけて重点的に掘り下げ、指摘まで展開するという流れでし
た。受審組織が会議室をいくつも用意していましたが、ほとんど部屋に
入ることなく現場だけだったのが驚きでした」
アイソス5月号に掲載された「TS 16949座談会」に出席したある審査員
の発言である。認証機関が階段を1つ登る場面を伝えている。「TS審査
を経験することで、審査員のレベルアップがはかられた」と言う認証機
関は多い。だが、具体的にどこがどのように向上したのかを語る人はめ
ったにいない。その理由もよく分かる。具体論は揚げ足を取りやすい。
この発言に対しても、批判は簡単にできる。「そんなこと、今頃気づい
たのか」「従来はそんな審査をやっていたのか」「うちに来るおたくの
TS審査員は全然 そんなレベルじゃないぞ」云々。
だが、一歩ずつ前進していることを自ら経験したのなら、気にすることはない、それは今回のようにオープンな場で正直に伝えるべきだ。呼応
してくれる人たちは、必ずいる。
(中尾優作)
〓〓 ISOの使い様 〓〓
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先日、ISO マネジメントシステム規格や仕組みのいいところどりの使い
方をしている事例の話を聞きました。住宅性能評価・表示協会という団
体では、建築確認と同様「品確法」に基づき建築物関連のさまざまな審
査を実施している評価機関をとりまとめていますが、この団体がISO を
お手本とする仕組みの導入をトライアル的にはじめたそうです。100 あ
まりある評価機関では、住宅性能評価のほか、住宅エコポイントの審査、
長期優良住宅の審査などを、国や行政庁に代わって行っています。実は
国はこれらの評価機関に対していわゆるISO 9001的手法(内部監査、マ
ネジメントレビュー)などの導入を推奨しているそうです。そこで住宅
性能評価・表示協会としては独自に、各評価機関に対して内部監査を義
務付けることにより、「審査の瑕疵」をなくすることをはじめ、すでに、
設計図面・建設現場においてISO9001的な活動を実施しつつあります。
さらに、住宅性能評価・表示協会では、こうした各評価機関の活動・仕
組み関して、確認作業を行うそうです(あえて審査とは言いません)。
ISO 9001はフルスペックのシステム審査だけでなく、その一部でも実務
に使えると住宅性能評価・表示協会担当者が考えて推進しているとのこ
と。種を明かすと、この導入の中心人物はもともとISO 認証制度関係者
ですが、彼曰く、「ISO の考え方や規格を使うことで、この分野の『審
査の質の向上』や『住宅の質の向上』につながり、実務面で大いに役立
つと確信している」そうです。
(恩田昌彦)
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