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ITILにおけるサービスストラテジとは、市場や顧客ニーズに合ったITサービスを提供する際の戦略を立てることです。サービスストラテジは、ITILの中核的な存在であり、顧客やユーザに対してどのようなビジネス、どのようなITサービスを提供するのかを考え、他の全てのライフサイクル(サービスデザイン、サービストランジション、サービスオペレーション、継続的サービス改善)を推進する役割を担っています。
サービスストラテジは、市場や顧客のニーズ、要件を基にITサービスの戦略(コンセプト)を決めるITSMSには欠かせないプロセスです。サービスストラテジは、サービスポートフォリオ管理、財務管理、重要管理プロセスから成り立っています。
サービスポートフォリオ管理プロセス
ITサービス野提供に必要な品質、コストや、予想利益、リスク評価、競合他社との比較をするために「提供する全てのITサービスに関する情報」を明確にしたプロセス。以下の3つに区分されます。
● サービス・カタログ
提供されているITサービスの一覧(文書、データベース)。唯一顧客に公開され、サービス内容、料金、連絡先などが含まれる。
● サービス・パイプライン
現在は顧客に提供されておらず、検討中、開発中のITサービスの一覧。
● 廃止されるサービス
何らかの理由で段階的、部分的に停止または廃止されるITサービス。
財務管理プロセス(関連:ISO20000-1 6.4 サービスの予算業務及び会計業務)
財務上の課題を解決する為に、ITサービスを供給するための総コストを測定し、コストパフォーマンスの良いITサービスを供給できるよう支援するプロセス。財務管理の分析活動には、ROIやビジネスケースなどの方法があります。また、その結果、投資に見合ったサービスが提供されているかを検証し、継続や中止の判断基準を設ける必要があります。
需要管理プロセス
顧客のPBAを識別、分析、記録をする事で、ITサービスの需要と供給の調整をするプロセス。またPBAとUPのマッチングも行います。。キャパシティ管理など、需要管理プロセスでは顧客が求める成果と整合が取れたサービスに関する詳細情報を「サービス・パッケージ」として整理する事が求められています。
サービスストラテジたは具体的には、「市場や顧客が求めるITサービスをどのように設計し、開発、実装をしていくべきか」ということを戦略としてまとめることになります。故にITサービスプロバイダ(ITサービスを提供する組織)が戦略を立てる際には、「ビジネス領域を特定」し「
提供するサービスを決定」し、「サービス提供に必要な資産を確保」する必要があります。これらを補完するものとして、サービスストラテジの3つのプロセスを実施します。
具体的には以下を実施していきます。
■ 準備
● 自社のITサービスは何が供給可能(得意:強み)なのか?
● 市場ではどの様な組織、企業として位置付けされているのか?
● 自社の強みは何か?それを市場は求めているのか?
● 提供するコストは適切か?
● 提供可能なITサービスの資源(人、物、金、ナレッジ)は
十分か?
■ 実施活動
● ビジネス領域特定:以下を考慮し、どこをどう攻めるのかを決定する。
・ 顧客はどの様なITサービスを活用しているのか?
・ そのITサービスにおいて自社の強みが活用できるのか?
・ そのITサービスは競合他社に簡単にまねされないか?
・ そのITサービスを継続してっ提供できるか?
・ 更なる、付加価値を提供できるか?
● ITサービス決定:ビジネス領域を決定後、提供するITサービスを決定する。
・ サービスポートフォリオの作成
・ 継続的提供の保証(バックグランド)
● 必要資源の確保:サービス査定
・ 何が、どれだけ必要なのか?
・ その資源の確保方法
次に、実施内容を基に以下の4つのポイントからITサービスの戦略を構築します。
Perspective(観点 :ITサービスの行動理念、構想、方向性 )
Position (ポジション:提供ITサービスの市場優位性。競合他社との優位性)
Plan(計画 :ポジションを実現する為の手段・方法の提示)
Plattern(パターン :判断基準に沿った継続的な活動)