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知っておくと便利なISO関連予備知識。
審査員とは、ISOの審査を行う資格を有した方々です。日本では主にJRCAやIRCAなどで審査員を育成します。一人4つの専門分野の審査資格の登録ができ、審査機関に所属したり、契約審査員としてその分野のISOの審査を行います。審査員は「審査員補」「審査員」「主任審査員」に各付けされます。
組織はISOを認証する際「審査登録機関」より認証を受けます。審査登録機関のことを「認証機関」や「審査機関」などと表現します。審査登録機関はISOの審査を実施する資格を保有し、国内だけでも50社以上存在します。その審査登録機関の審査をする機関(審査資格を満たしているか)が認定機関となります。各国に1機関存在し、日本ではJAB(Japan Accreditation Board for Conformity Assessmen
t:日本適合性認定協会)がその役割を担います。
認定国=日本。日本適合性認定協会
認定国=イギリス。英国認証機関認定審議会
(United Kingdom Accreditation Service)
認定国=アメリカ。米国適合性認定機関
The American National Standards Institute(ANSI)- American
Society for Quality (ASQ) National Accreditation Board
この場合、株式会社○○○は適用範囲「全社」、「JAB」と「UKAS」が認定している「A審査登録機関」から審査を受けISOを認証したことになります。
ISOのマニュアルや手順書は一般的に紙ベースで管理されますが、規格上は何の制限もありません。ですから、映像であったり、音声や漫画(現実的ではありませんが)でも別段何の問題もありません。要は社員が理解できればよいわけです。ITの発展に伴い加速度的にグローバル化が進んでいる中、企業はPCで管理したり、日本語以外でも表記したりして全社員に企業のルールを理解させる努力が必要です。
不適合とは要求事項を満たしてないことをいい、登録審査時の判定分類の一つです。軽微(マイナー)やメジャー(重要)な不適合等ありますが審査会社によりその判定の根拠は若干差があります。軽微な不適合が多くなり、ある一定の数になればメジャーに変更という場合もあれば、いくら軽微な不適合がでてもメジャーにならない場合もあります。(審査登録機関により違います)
一般的にはメジャーな不適合とは下記のような場合が該当します。
製品品質に極めて重要な手順書の崩壊や、組織のマネジメントシステムの運営において完全な崩壊がある場合。
規格で要求される手順書が、組織のマネジメントシステムにおいて完全に欠落している場合。
手順書にいくつかの軽微な逸脱があり、それが組み合わされると、全体として手順書の完全な又は重大な崩壊を暗示する場合。
不適合が、提供される商品またはサービスの品質にとって直接の危険となる可能性がある場合。
ISOやIECで作られる規格は、国際的な標準が必要であるという観点から議論され、多くの国から専門家が集まりチーム(TC:Technical Committee:専門委員会)を組み、会議を重ねながら作っていきます。規格がある程度固まってくると、FDIS(最終国際規格案:Final Draft international Standaras)となり、全ての国の代表団体が2ヶ月で投票を行い最終投票にかけられます。それが承認されると国際規格として配布されます。IATF16949参考図
※ TMBとはISOの中枢組織でありTC設置の決定等を行う。
※ TCとはISO規格化を検討する部署で内容に興味がある国が参加する。現在1番から200番台まである。例えば「ネジ」はTC1(1番目の専門委員会で検討)、「ISO9001」はTC176で、ISO初のマネジメントシステム規格となっている。
またTCは作業の種類に分けて「SC」と「WG」を設置する。現在、TCは200以上、SCは500以上、WGは2000以上設置されている。
※ NP:New work item proposal(新規格提案)
5ヶ国以上のPメンバーが審議に参加し、投票したTC/SCの積極的参加メンバーの過半数が賛成で承認
※ WD:Working draft(作業原案)
幹事より任命された専門家がWDを検討作成し、NP提案承認後6ヶ月以内にTC/SCにWDを提出
※ CD:Committee Draft(委員会原案)
積極的参加メンバーの2/3以上の賛成を得た場合、CDが成立後DISとして登録
※ DIS:Draft international standerd(国際規格原案)
積極的参加メンバーの2/3以上が賛成、反対が投票総数の1/4以下で承認、FDIS登録
※ FDIS:Final committee draft(最終国際規格原案)
FDISを全てのメンバー国に投票のため配付。積極的参加メンバーの2/3以上が賛成
反対が投票総数の1/4以下 でISOとして成立
ISOの規格は残念ながら日本語では発行されていません。ISOは英語で検討されされます。公用語として「フランス語」「ロシア語」も採用されていますのでの3ヶ国語での発行となります。日本でISOを認証取得する際はJIS規格などをもとに仕組みを構築して審査を受けますが、正式な日本語訳はありません。JIS規格はISOの和訳版ではなく日本の国家規格です。故に、本来英語での表現を日本語に訳するのですから、コンサルタントや審査員において若干の解釈の違いが発生するわけです。ちなみに、JISの認定を受けることも可能です。(例:JIS Q 9001認証取得)