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ISO20000(ITSMS)取得支援 サービストランジション

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 サービストランジション(移行)とは?

サービストランジションのイメージ

ITSMS(IS20000) サービストランジション サービスデザイン サービスストラテジ サービスオペレーション 継続的サービス改善 実際に運用、利用できる状態に移行

 サービストランジションとはサービスデザインにて設計された新規のITサービス、あるいは変更されたITサービスを、中断や移行を原因とした障害などを制御し、本番環境で実際に運用できる状態に移行する為のガイダンスです。
 サービストランジションの目的は、ITサービスの変更をスムーズに本番環境へリリースする事となります。


サービストランジションの7つのプロセス

 サービストランジションはITライフサイクルの中心部分にあたり、サービスストラテジで検討された事案や結果が反映されます。サービストランジションの目的は、「サービスストラテジ」の戦略に沿って「サービスデザイン」で設計、作成された「サービスデザインパッケージ」に基づくITサービスが事業のニーズを満たすかどうかテストし、本番環境に移行し、実際の運用で利用できる状態にする事です。

IISO20000 ITIL サービストランジションのプロセスイメージ


 ITIL V3では以下の7つのプロセスを展開していきます。


その一 移行の計画立案およびサポート

 サービスデザインの要件を満たし、移行作業が確実に行われるように計画を立案するプロセス。また「サポート」とは、スタッフ、チームをツールや仕組みで支援することです。移行の計画立案およびサポートの主な活動は以下のようになります。

 ● リリース方針の定義
 ● 必要なリソース(要員含む)の割当て、期間、コストに関する移行計画の策定
 ● 各プロセスからのインプット情報分析、RFC評価、ベースライン設定、課題、リスク管理などの事前レビュー
 ● リリーステストおよび手順立案と調整

 ■ リリースのタイプ
   ● 大規模リリース
     広範囲にわたる新規のリリース
   ● 小規模リリース
     細かな機能拡張及び修正
   ● 緊急リリース
     既知のエラーの修正や、優先度が高い機能拡張など


その一 変更管理(関連:ISO20000-1 9.2 変更管理)

 ITサービスのあらゆる変更において、その変更作業に伴うリスクを最小限に抑えながら、既存のITインフラやITサービスを効率かつ迅速に処理するプロセス。変更管理の目的は、顧客やユーザ、事業上の必要性により発生するRFCに対し、標準化された手順に基づき処理する事です。変更の種類、プロセス、ポイントは以下になります。

 ■ 変更の種類

   ●  通常変更:一般的なシステムの変更。 例→ハードウェア構成変更
   ●  標準変更:確立された手順に従って実施されるITインフラの変更。 例→ユーサーアカウント追加

   ●  緊急変更:ビジネスに大きな悪影響を与えており、早急に変更が必要な変更。 例→セキュリティパッチ

 ■ 変更管理の7つのR(変更による影響を検討する為の基本的確認事項)
変更管理の7つのRイメージ
   @ 変更を要請 (Raised) したのは誰か?
   A 変更の理由 (Reason) は何か?
   B 変更の成果 (Return) の見返りは何か?
   C 変更に伴うリスク (Risk) は何か?
   D 変更を実施するために必要なリソース (Resource) は何か?
   E 変更(構築、テスト、実装)の責任者 (Responsible) は誰か?
   F この変更と他の変更の関係 (Relationship) は何か?

 ■ 変更管理のプロセス

ITIL変更管理プロセスイメージ

 また、変更管理においては、その変更は妥当か、他に類似の変更要求はないか、変更を何時、どのように実施するのかといったことを決める「CAB」を召集することが重要です。また、影響度の大きな緊急変更については「ECAB」で検討します。


その一 サービス資産管理と構成管理 (関連:ISO20000-1 9.1 構成管理)

 ITサービスに必要なITインフラストラクチャのコンポーネントの構成情報を把握、及び常に正しい状態を維持し、他のプロセス活動の最適化を支援するプロセス。構成管理では、CI(構成アイテム)単位で管理され、IT機器のみならずITサービス提供に関わるあらゆる情報が管理対象となります。

 ■ 構成管理で対象となる主なCI
   ● ハードウェア
   ● ソフトウェア
   ● 文書(仕様書・設計書、SLA、 契約書、運用マニュアルなど)

 ■ 構成管理プロセス

  @ 管理と計画立案:構成管理方針、適用範囲、目標、役割、責任などの導入計画を構成管理計画として策定
  A 構成の識別:CIの選択基準(どこまで)、名前、ラベル付、他のCIとの関連、タイプなどを定義
  B 構成コントロール:CIの変更を追跡、管理
  C ステータスの説明と報告:CIのステータスを追跡し、ステータスレコード、レポートの作成
  D 検証と監査:CMDBに格納されているCIは正しいか、実際に存在しているかを確認

 ITIL V3では、構成管理で得られた情報をそれぞれカテゴリ化し、以下のように細分化して管理していきます。

   ● CMDB (構成管理データベース):CIを管理
   ● CMS (構成管理システム):ITサービスプロバイダの構成情報を管理
   ● DML (確定版ソフトウェアライブラリ):承認済のバージョンのソフトウェア、ライセンス文書、情報の管理


その一 リリースと展開管理(関連:ISO20000-1 10.1 リリース管理プロセス)

 ITサービスの品質を一定に保つことを目的として、リリースをパッケージ化、構築、テストして本番環境に加える変更をコントロールするプロセス。リリースと展開管理では、「リリース計画の策定」「リリース・パッケージの構築と導入」「テスト」等を実施し、本番環境での影響を最小限に抑える事が重要です。

 ■ リリース展開パターン

   ● ビッグバン・アプローチ:複数を一斉にリリース
   ● 段階的アプローチ:最初に一部のユーザーに限定し展開。以後順次展開
   ● プッシュ・アプローチ:中央拠点からアップデートされたコンポーネントを配信(ユーザーの選択権無し)
   ● プル・アプローチ:中央拠点からアップデートされたコンポーネントを配信(ユーザーの選択権有り)

 ■ リリースパッケージ構築プロセス

  @ リリースするコンポーネントの組み合わせ決定
  A リリース結果測定、問題点の識別方法の明確化
  B リリース及び展開に必要な文書の作成
  C リリース・パッケージ導入・検証
  D リリース・パッケージベースライン作成
  E リリース・パッケージ使用可能通知


その一 サービスの妥当性確認とテスト

 提供するITサービスの品質を保証する為に、供給するITサービスが顧客の目的に適合(品質)、 及び利用可能な事(保証)を検証するプロセス。本番環境でのトラブルは非常に大きな負担を強いられます。故に、ITサービスをリリースする前にの妥当性の確認やテストは非常に重要です。

ISO20000 ITIL サービスの妥当性確認とテストのイメージ

その一 評価

 サービストランジションで実施される変更のリスクや、パフォーマンスを評価するプロセス。評価で得られた結果は「評価レーポート」としてまとめられます。サービストランジションによる評価は、以下のプロセスで実施されます。

ISO20000 ITIL 評価のイメージ


その一 ナレッジ知識)管理

 組織内の情報を、適切な人が、適切なタイミングで活用できる仕組みを構築するプロセス。ナレッジ管理の目的は、属人性を排除しながら高品質なITサービスを効果的に提供する為に「必要な時に、必要な情報が、必要とする人や組織に提供される」ことです。ITIL V3ではナレッジ管理の構造において、「DIKW」という新たな用語が紹介されています。


 ■ DIKW
  ● Data (データ):事象についての個々の事実(データ)の集まり
  ● Information (情報):データに基づいて加工された情報
  ● Knowledge (ナレッジ):個人が持っている暗黙の経験、考え、見識、価値など
  ● Wise (知恵):常識的な判断を行い、処理していく能力。知識の応用 ISO20000 ITIL ナレッジ管理SKMSのイメージ

 ナレッジ管理では、ナレッジを効率的、有効的に管理する為に、収集すべきデータと情報の要件を定義し、そのデータを「SKMS」に蓄積していきます。
 SKMSは、CMDBやCMSおよびその他のツールとデータベースが含まれ、ITサービスのライフサイクル全体を管理するためにITサービス・プロバイダが必要とするすべての情報を格納、管理、更新、提示します。



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