ISOコンサルタント:トップ >IATF16949取得支援 > SPC:統計的工程管理
SPCとは、Statistical Process Control の略称で「統計的工程管理」と呼ばれ、製造工程における品質のバラツキを統計的手法を用いて管理する手法です。物作りにおいては自動車部品に限らず、同じ製造工程で同じ製品を製造していても、常に全く同じ製品ができるわけではありません。IATF16949では製造工程が重視され、SPCはその製造工程の管理及び改善の為の中核技法として推奨されています。特にIATF16949では、8.2.3.1「製造工程の監視及び測定」が重要で、この要求事項に対処する為に、製造工程が統計的に管理状態にあるかどうかを判断する「管理図」(シューハート管理図)や、製造工程が規格値を満たす能力があるかどうかを判断する「工程能力指数」(Cpk:Process capability index)及び「工程性能指数」(Ppk:Process performance index )の手法の活用が不可欠です。
管理図(シューハート管理図)とは、X(平均値)とR(範囲)から、製造工程が統計的管理状態(安定した工程)にあるかどうかを判断します。工程変動の原因としては、「共通原因」(偶然原因)と「特殊原因」(異常原因)があります。共通原因とは製造工程に常に存在し偶然のみによる変動原因で、特殊原因とは工程に常に作用しているわけではない特殊な変動原因となります。安定した工程とは、変動原因のみが存在し、逆に不安定な工程では共通原因プラス特殊原因が存在します。X(エックスバー)-R管理図(以下X-R管理図)は工程が安定状態から不安定な状態に変わったときに異常原因を突き止め、安定した管理状態を維持する目的で使用します。
@ ロット:K=20
A サンプル数:N=5
B ロット毎の平均値:Xバー
C 範囲(最大値と最小値の差):R
D 範囲の平均値:Rバー=「1.32」
E CL(中心線):Xバーの平均値及びRバー=(X=15.28,R=1.32)
F X図のUCL(上方限界値):CL+A2(0.577)×Rバー(1.32)=[16.04]
G X図のLCL(下方限界値):CL-A2×Rバー=14.53
H R図のUCL(上方限界値):D4(2.115)×Rバー =2.79
I R図のLCL(下方限界値):D3(0)×Rバー =「0」
【X管理図】(例)
【R管理図】(例)
【X-R管理図判定方法(異常判断)】
■ UCL,LCLを超えている
■ 連(注意1)発生(連続して7つの点がCLより片方に偏っている
■ 連(注意2)発生(連続して7つの点が増加もしくは減少している
■ CL周辺に点が少ない
X-R管理図の実施は非常に自社工数(手間と時間)を有します。スリープロサポートではエクセルをベースとした「X-R管理システム」を顧客別にカスタマイズして作成します。リアルタイムで不良の抽出が可能で、大幅な効率アップも実現します。
詳しくは「X-R管理システム」をご覧ください。
工程能力とは、製造工程が製品規格を満たす程度をいいます。IATF16949では、その工程能力を表す指数として「工程能力指数」(Cpk)と「工程性能指数」(Ppk)が利用されます。Cpkとは、安定状態(共通原因のみ)にある製造工程の製品が製品規格を満たす能力を表し、一方Ppkとは、特殊原因も含む全てのばらつきを加味し、読み取った全管理値を用いて数値計算によって標準偏差を求めたもので、製造工程が安定しているかどうかわからない場合に利用されます。
【Cpk】
CpとCpkの違いは、製品特性データの分布の中心(平均値)がUCLとLCLにある場合(CP)と、平均値が上下規格の中心からズレている場合(CPK)の工程能力の求め方です。すなわち工程能力指数は以下の式でX-R管理図から求める事が出来ます。
Cpk=(CL-LSL)/3σと(USL-CL)/3σ の値が小さい方
σ(シグマ)=標準偏差(データのバラツキ 例:1.2)、USL=上方規格限界(例:25.0)、LSL=下方規格限界(例:15.0)CL例:21.0
(21-15)/ 3×1.2= 1.66 (25-21)/ 3×;1.2= 1.11となり 1.66×1.11でCpk=1.11
Cpkは数値が低いほど不良率が高くなります。IATF16949ではCpkは1.67(約200万に1個の不良)以上を要求しています。
スリープロサポートは各コアツール(APQP、MSA、FMEA、SPC、PPAP)の単独のセミナーの開催や、IATF16949内部監査員養成セミナーだけの出張コンサルティングリクエストも可能です。どのようなコンサルティングの実施を望むのかお気軽にご相談ください。
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