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アクリフーズ冷凍食品への農薬混入について
マルハニチログループのアクリフーズ群馬工場で製造した冷凍食品の農薬混入問題について、被害にあわれた1400名以上の方は非常に気の毒だが、ある意味会社側も被害者と言えると思う。アグリフーズはマルハニチロのグループ会社の一員として、平成21年にISO22000の認証を取得し、一連の報道で見る限り、「食の安全管理」の仕組みは通常レベル以上にきちんと機能していた思う。また、会社の対応も迅速であり、「緊急事態対応」「トレーサビリティシステム」「回収」の仕組みもハイレベルで機能していた。設備的にも「HACCP」システムを取り入れクリーンに保たれており、この様な企業でこういう事故が起こった事が非常に残念でならない。このレベルの管理を実践して事故が起こるのであれば、どの様な食品工場でも今回の様な事件は防ぎようが無いのはないだろうか。現場作業員が意図的に悪事を働こうとするのを防ぐ事は不可能だと思う。この事件は、犯人の人的資質の問題であり、会社側の非としてはこの様な人材を雇い入れた事であろう。しかし、どの企業もそうだが、雇い入れる時点で「将来、事件・事故を起こす」であろう人物を完全に見抜き、回避できるのであろうか。地域の雇用問題もあり、社会貢献という大局的見地から見てみるとそれもやむを得ない感がするし、そう考えた場合、次に問題となるのが「社員教育」であろう。食の安全に関する「自覚」が薄いだけでなく、何かを混入すれば何が起こるのか想像できる力と責任感が、この犯人には全く無かったのであろう。それを教育で植え付けれなかった会社側の責任の方が大きいと思う。しかし、この様な性格の人間を「教育」を通じて「自覚」を促そうとしても大変難しいように思われる。アクリフーズの肩をもつわけではないが、ここまで食品安全衛生を考えてきちんと運用してきたのに・・・と本当に同情する。テレビ報道などで様々な工場の映像や安全管理の仕組みについての情報が流れたが、視聴者は逆に、ここまで管理しているのにこの様な事故が起こった事に対して驚愕したのではないだろうか。
■ コラム一覧
■ No.1 ISO9001の定着度 h25/2/7 ■ No.2 IATF16949の認証について @ h25/5/5 ■ No.3 ISOの同業他社からの偽電話 h25/7/11 ■ No.4 IATF16949の認証について A h25/12/18 |
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