ISOコンサルタント:トップ > ISOコラム > No.3:ISOの同業他社からの偽問い合せ
ISOの同業他社からの偽問い合せ
この頃、マーケットの縮小とそれに比例する企業間の競争激化から同業他社と思われる企業からの偽の問い合わせが多い。通常この手の電話や問い合わせは、フリーメールや企業名を隠した携帯電話からの問い合わせが多く、メールでいきなり見積もりを要求してくるか、おおよそのコストを聞いてくるかであり、見積書作成に必要な詳細を返信メールで伺ったらそれっきり反応は無い。電話の場合は、コールバックした瞬間に一方的に自社の話をし、会社名などを聞く隙を与えないか、それとは別の問題に話を持っていき、最終的に当社のコンサルティングコストを聞き出すという過程をとるのが通常だ。先日、以下のようなことがあった。
「ISO13485の取得を考えている企業だが全く知識がなくコンサルを頼みたい。至急営業者より電話ほしい。社員数は50名で1か所、医療機器製造業です。マニュアルから作成してほしい。電話番号は0903371●●●●、奥村です。(着信番号0803226●●●●)」というもの。
この問い合わせは、まず内容が不自然である。コンサル会社が簡易見積もりを作成するときに必要な情報をほとんど話しており、全くの素人がこの情報でおおよその見積もりが出ると知っている企業は少ない。また、着信番号と連絡先番号の携帯番号が違う。怪しいと思い、着信番号のほうに電話してみると、「はいはい高崎です。」。着信番号からすぐに連絡しているので奥村様であるはずなのに別人だ。また、異常に明るい声で対応する。??????「スリープロサポートですが奥村さんではないですか」、先方は「うっ!」とうなり声を上げ、ちょっとの沈黙の後、さっきとは打って変わってどすの利いた声で「違います」。もうひとつの電話にかかってくるのもと思っていたのだろう、明らかにこちらの番号は本人用で、もう一つは偽名用だ。
「先ほどこの電話番号から奥村様から問い合わせがあったのですが、社内貸与の電話ではありませんか?もしくは、奥村様をご存じないですか?」、「。。。。。知りません」の即切り。当然もうひとつの番号にかけても一切出ない。
同業他社関係者もしくは個人コンサルと思うがかなしくなる。多分、当社のPR先と競合しているのであろうが、競合他社はいくらだろう?という気持ちはわかるが、その価格を姑息な手段で聞き出し、それに基づき自社の値段を決定し見積もりを提出するのはおかしいと思う。お客様の話やニーズを聞き、自社としてこういう提案をして、この役務を提供するコストはこれです、というのがビジネスではないだろうか?他社の提案は当然当社と全く同じということはないだろうし、基本的に関係ない。他社は他社で独自のノウハウを用いた提案をしてくるであろうし、その提供コストも当然それに見合うものであろうからだ。最終的にお客様から相談があり、競合他社がこれくらいだから値段を合わせてくれないかと相談があり、それに対応するのならわかるが。
この輩は、自社で決まりがある基本価格に対して、お客様の思う価格が安い分には値上げを要求するが、高い分には何も言わず、天井の金額が競合他社価格となる。しかし、100万円(基本価格)でも500万円でも提供する役務は変わらない。まあ、当社がこのような偽問い合わせを受けるのはそれなりに競合企業から認められているという証明であり、有名税と思って対処するが、かなしいビジネススタイルである。
従来サービス業の中でもISOの業界やコンサル業界は情報の非対称性が大きく、いまだに明確な価格基準がない。この事実は当然お客様に非常に不利に働き、また、業界の性質上今後もこのような対応が続いていくと思う。しかし、当社は頑として他社の価格との比較ではなく、当社のサービスの適正対価としてPRしていきたいと思う。予断ではあるが、後日この方の身元が特定できやはり競合であった。せまい業界だから絶対にわかるのに。
■ コラム一覧
■ No.1 ISO9001の定着度 h25/2/7 ■ No.2 IATF16949の認証について @ h25/5/5 ■ No.3 ISOの同業他社からの偽電話 h25/7/11 ■ No.4 IATF16949の認証について A h25/12/18 |
HOME JIS Q 9100とは JIS Q 9100取得のメリット JIS Q 9100取得支援サービス JIS Q 9100取得フロー JIS Q 9100認証取得に必要な費用