ISOコンサルタント:トップ >IATF16949取得支援 > MSA:測定システム解析
MSAとは、計測器の精度、測定者によるバラツキを統計的に分析、評価し、適切な計測システムを選択するための解析手法です。
例えば、二人が同じ測定器を使用し、複数測定したデータ平均値はそれぞれ異なるのが一般的です。また、二人が違う測定器で測定した場合、そのデータはやはり異なるデータになるでしょう。故に、測定者、測定方法、測定器などの測定システムの要因による測定データのバラツキ(変動)がどの程度存在するのかを把握し、製品の測定に適しているかを調べる必要があります。それがMSA(測定システム解析)です。
IATF16949では、7.6.1「監視機器及び測定機器の管理」と、7.6.1「測定システム解析」では各種の測定器及び試験装置システムの結果に存在するバラツキを解析するため、統計的調査を実施する事が要求されています。
工程管理、検査、試験などは正確な測定データに基づいて行われます。故に、測定データの信頼性を確保することが重要です。測定システムのバラツキの要因と結果は主に以下のようになります。
変動要因 |
結果 |
|
製品特性 |
安定性 (Stability) |
同じ測定者、同条件による平均測定値の経時(時間)的なバラツキ |
繰り返し性(反復性)(Repeatability) |
同じ測定者、同条件による測定値のバラツキ(測定器)(EV) |
|
再現性 (Reproducibility) |
異なる測定者による平均測定値のバラツキ (AV) |
|
偏り (Bias) |
平均測定値と基準値からのずれ(差)(PV) |
|
直線性 (Linearity) |
測定器の測定範囲内でのかたよりの推移(差) |
通常、測定機器には上図の様に「安定性」「繰り返し性」「再現性」「偏り」「直進性」の変動要因があります。この中で、繰り返し性、再現性の組み合わせをゲージR&Rといいます。測定システム解析の最も代表的な解析手法としてゲージR&Rがあり、ゲージR&Rとは、測定システムの再現性(測定者間のバラツキ)、繰り返し性を分析する手法です。MSAにはゲージR&R分析方法として、Range Method(範囲による方法)とANOVA method(分散分析による方法)が記載されています。ゲージR&R の算出フロー及び、算出された変動率に対しての判定基準は以下のようになります。
【ゲージR&R算出フロー】
【%ゲージR&R判定基準】
変動率(%GRR) |
判定 |
対応 |
10%以下 |
合格 |
許容 |
10~30% |
条件付き合格 |
適用検討 |
30%以上 |
不合格 |
是正対応 |
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