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ビューローベリタスからのご連絡 (2014/10/2)
■□ フードディフェンスの最新動向
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食の安全に対する取組みは、意図的な食品汚染を防止するフードディフェンス(食品防御)という新たな段階に入りました。
「フードディフェンス」に対する取り組みは、本来、性悪説に基づくものであり、性善説で成り立つ日本という風土、企業文化などを背景に、
『日本ではなじまない』、『日本では必要無いのでは?』という考え方から、積極的に取り組まれることはありませんでした。
外国では、食品に何かを混入させる行為は犯罪であり、テロであるとの認識が早くからもたれていましたが、日本では行政も含めて
積極的な取り組みとはなっていませんでした。
2008年の中国製冷凍餃子の事件や、2013年の国内冷凍食品工場での事件など、我々の食品流通においても大きな事件が発生してきています。
これら事件は、消費者であるお客様の健康被害に影響を及ぼすのみではなく、生産活動を行う企業、工場にも損失を与えています。
事件後の対応における直接的な生産低下に伴う収益の減少にのみならず、ブランド崩壊の影響などを含めると、その後の会社経営に対して
長期にわたる損出が出ています。
一方では、世界的な食品流通の国際化に伴い、食品安全の確保に対する活動の協調・調和の動きも活発化、且つ、現実のものとなってきました。
各国の行政機関が主導する規制/法令などもありますが、世界的には、やはりGFSIの動向が注目されています。
現在、GFSIのベンチマークとして認められている認証制度は9つあり、どの認証制度もフードディフェンスの考え方が含まれています。
即ち、フードディフェンスへの取り組みについては、国際的に通用する認証を取得する上でも必須となっています。
これら社会環境面や、食品流通業界での動きから、フードディフェンスへの取り組みは、今後の会社経営発展のために必須の活動であり、
各社の経営戦略上、重要な柱となっています。
前述したGFSIのベンチマーク認証の中で、日本ではFSSC22000、SQF、Global GAPなどが知られています。
その中でも、馴染みのあるマネジメントシステムの要素を強めたISO22000の認証を基礎部分に含むFSSC22000認証制度が世界的に認知され、
全世界では約7000件、国内686(うち包材83)件の認証書が提供されています。
これまでフードディフェンスの取り組みは、海外との取引がある企業に限られると思われていましたが、国内でもイオン、西友をはじめとする国内大手
流通企業が認知していることから、サプライヤー二者要求基準に含められる傾向にあります。
これに伴い、サプライヤー各社の取引存続のためにも、フードディフェンスの取り組みが必至になりつつあります。
更に国内の商慣習として、取引の下流側へ流れて行くことも予想されるところです。
現在のFSSC22000の認証制度では、フードディフェンスに対して、必須と思われている施設基準(外壁フェンスの高さ、監視カメラの設置、施錠の様式、
磁気カードの導入など)は決められていません。
すなわち、各経営者が、経営判断(経営戦略)として、どこまでの対応を行うのか? を方針・戦略の中で明確にし、それに沿った運営を資源提供、
実務運用両面から行うことになります。
経営者に決定頂くレベルは、取引先企業各社にとって魅力的な内容であることが望ましいと考えますが、最終的な決定は、やはり経営判断です。
言い換えれば、取り組まれる企業様にとって相応しいレベルのフードディフェンスを実現できるのです。
今後のご支援先各社のために、各社に相応しいフードディフェンスへの取り組み、また、これを認証制度の中で確立、維持することが要求される
FSSC22000の取り組みをご提案されては如何でしょうか。
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■□ 労働安全事故は『0』にできるか
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厚生労働省労働基準局によると、2013年の労働災害における被災者数は死亡者数1,030人、死傷者数118,157人に
及んでいます。
国内では、事故はあってはいけないという発想から労働安全衛生法が施行され、労働災害は長期的には減少していますが、
第三次産業では増加するなど事故件数は下げ止まっていると言えるでしょう。
最近でも化学工場などで爆発が起こり、死傷者が多数発生してしまうという痛ましい事故が記憶に新しいです。
危険への認識の希薄化、安全管理のマンネリ化、技術やノウハウの習得と継承が上手く行われていない事などが
起因しているとも言われています。
今後、社会はますますスピードを速めて変化し、企業(組織)は新しいリスク、変化したリスクに対応しなければ
ならなくなります。
こういったリスクを定期的に洗い出し対処していくという発想が、今後ますます求められるのではないでしょうか。
OHSAS18001はそういったリスクを管理し、危機管理能力を高めることのできるグローバルスタンダードなツールです。
これまではILOとISOの関係や、途上国と先進国のレベル差などによりISO化は実現していませんでしたが
2013年8月にISOとILOは協力関係について合意書を締結し、ISO45001として2016年9月(予定)に新しく発行予定です。
労働安全事故を『0』にすることは難しい事ですが、ISO45001を活用し『0』に近づける活動は可能ではないでしょうか。
ISO45001の発行を大いに期待したいと思います。
過去のISO関連ニュースについては以下よりご覧ください
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