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月刊アイソスからのご案内 (2015/4/13)
ISO/TS 16949(自動車セクター規格)の受審組織のトップから認証に
不満が出ました。その会社は複数のサイトでISO/TS 16949の認証を同一
認証機関から取っているのですが、サイトごとの審査報告書しか出ませ
ん。トップの不満は「認証機関は、うちの全工場の審査をしているのに、
どうしてサイトごとの報告しか出ないのだ。私が知りたいのは全体の報
告だ」というものでした。「いや、TSの審査はもともと工場単位の審査
なので」というのが認証機関側の言い分であり、事務局側も当初は認証
機関と同様の考えを持っていました。しかし、トップの不満も、もっと
もな話です。そこで、事務局側が認証機関に掛け合って、「全体報告を
出して欲しい」と認証機関にお願いし、それが実現しました。
別の事例ですが、ある食品会社がFSSC 22000(食品安全システム認証)
の認証を取得しました。この規格も基本的に食品製造工場が対象になり、
通常は工場ごとに認証を取得します。ですが、その会社には設計部門が
あり、その部門の設計仕様をもとに各工場で食品を製造していました。
FSSC 22000の適用範囲に、工場とは別にある設計部門は含めることがで
きないだろうと思っておられる会社が多いようですが、その会社は複数
ある食品製造工場に本社の設計部門も含めた範囲でFSSC 22000の認証を
取得しました。その取り組みをある会場で発表したところ、プレゼンタ
ーに対して複数の会社から「どうやって取ったんですか?」という質問
が来たそうです。
基本的に工場単位で審査が行われる認証規格の場合、どうしても「工
場単位を超えられないのではないか?」という固定観念を持ちがちなの
ですが、前向きな姿勢で超えようと取り組めば、案外道は開けてくるよ
うです。
(中尾優作)
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