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月刊アイソスより抜粋 (2011/11/14)
【ISO 9001―時期改正に向けての進捗状況】
ISO 9001次期改正の最新状況を紹介すると、現在、先月から始まった
ISO 9001の Systematic Review 中である。この Review で、ISO 9001
:2008について「確認(confirmed、変更せずそのまま継続)」、「改正
(revision)」、「破棄(withdrawal)」の三択をすることなっている。
その結果が判明するのが来年3月15日。もし改正となれば規格の仕様書
検討、承認、そして原案執筆がスタートする。気になるその改正の中身
だが、かねてよりの約束通り、ISO 14001との同期を図ること、整合性
を向上することは確実であるらしい。なお、JTCGで検討されているマネ
ジメントシステム規格の「共通テキスト」については、12月開催のJTCG
会議で修正版を作成し、来年2月のTMB会議において強制力や発行形態な
どに関する最終決定が行われる予定だという。改正規格が、どの程度
「共通テキスト」に沿ったものになるかどうかは、この時期に明らかに
なるとのこと。
肝心の三択の行方だが、現状のメンバー各国の意向を探ると、どれにな
るかはよく分からない状況だという。「改正」となる可能性が高いらし
いが、「確認」となる可能性も捨てきれず、そうなれば、当然のことな
がら、改正作業は始まらないことになる。いずれにしろ3月15日には判
明する。(恩田昌彦)
【TPP交渉参加で日本の適合性評価が加速する】
11月11日に開催されたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)閣僚会議で、
日本はTPP(環太平洋経済連携協定)交渉参加を表明した。アイソス読
者に特に関連してくるのは、TPP交渉で設けられていた24の作業部会の
中の「強制規格・任意手続き・適合性評価手続き」を扱う「TBT(貿易
の技術的障害)」での審議内容が、今後どのように展開されていくか
であろう。
TPPにおけるTBTの規定には、任意規格・強制規格・適合性評価における
共同作業による貿易円滑化、国際規格の使用、他国の強制規格を同等措
置として受入れることへの検討、適合性評価の結果の受入れの円滑化な
どが含まれてくる。すると、例えば日本がどういう製品・サービスの輸
入をどういう基準で認めるのかは、国際基準をベースにした上で、TPP加
盟国が認めたローカル基準に則ることが前提になる。TPP加盟国に限らず、
それ以外のAPEC加盟国においても、今後は国際基準に則った適合性評価
制度の普及が一気に進むことはまちがいない。
日本においても、製品、プロセス、サービスの試験、検査、認証を国際
ガイド及び国際規格に則った形で提供する試験所、検査機関、認証機関、
認定機関は、これから忙しくなってくると思う。(中尾優作)
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