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【アイソス番外編】第177号より抜粋 (2013/7/16)
〓〓 労働安全衛生マネジメントシステムのISO規格が決定 〓〓 2016年までに発行される?
最近のビッグニュースは OHSAS18001のISO規格化の動きです。ISOにお いて6月〆切で労働安全衛生マネジメントシステム規格の新業務項目提 案(NWIP)の投票が行われていました。過去に2回提案は否決されてお り、今回もどうなのかと気をもんでいたところです。投票結果は、日本 は反対したようですが大差で可決。これによって新たに Project CommitteeとしてISO/PC283が立ち上がり、SecretariatはBSI、 SecretaryにはこれまでOHSAS18001で責任者を務めたMr. Charles Corrie。 PC283のParticipating countries数は33、Observing countriesは14、 日本は今のところ後者です。早速、ISO 化に関する国内委員会の設立を求 める通知が出されたようです。通常はIS発行まで3年程度ですが、OHSAS18001 が既にあるのでこの期間は短縮されると見込まれます。現在、国内の労働 安全への対応については、主要な認証/認定制度等として、ISO 認証機関 による OHSAS18001、建災防の建設事業者向けのコスモス(COHSMS)、 そして中災防のJISHA方式適格OSHMSがあります。そう遠くないうちに登場 するであろう ISO規格に対して、所轄官庁や連合、経団連他がどのような スタンスをとって、それぞれの意見・対応がまとまるようなことになるの か気になるところです。今後本誌では定期的に日本の動きを含めて紹介し ていきます。(恩田昌彦)
〓〓 BCMS研修も監査研修も 〓〓 はじめに演習ありき
経済産業省の「事業競争力強化モデル事業」の再委託先28グループを対 象にした集合研修が7月3日から10日まで開催され、その中のBCMS(事業 継続マネジメントシステム)研修を東京・名古屋・大阪でそれぞれ取材 した。研修は演習主体で実施され、冒頭は災害シミュレーションで始ま る。講師がいきなり「この会場で今、震度6強の地震が発生しました。 さあ、どうしますか? グループでご議論ください」と言い出す。不意 を突かれ、会場がどよめく。いくつかのグループでは笑い声があがる。 この反応は、東京、名古屋、大阪、どこも同じ。すぐに意見を言い出す 人と、周囲を見ながら黙っている人と、びっくりして笑い出す人がいる。 講師はこのシミュレーションの後、「BCMSに取り組む時は、詳細な分析 を始めるよりも、まず最初に、実際に起きては一番困るシナリオで演習 を実施して、自分たちの対応能力を把握することが大事」と述べた。確 かに「いきなり演習」は、組織や人の力量をあからさまにする。はじめ に演習ありき。 ちょうど同じ時期に、某機関の二者監査セミナーを取材した。演習のセ ッションに入って、講師がシナリオを受講者に渡す。シナリオは、納品 された製品にサプライヤー起因の不具合が発生、顧客からクレームが入 っているという内容。これに対して、顧客の立場でサプライヤーに二者 監査に入り、不具合の発生原因をつきとめ、是正処置を要求するという テーマが受講者に与えられる。演習に入るまでは、講義やグループ討議 で積極的に発言していた人が、演習に入ったとたん、黙ってしまったり、 舌が回らなくなったりすることがある。ああ、これはBCMS演習のリアク ションと同じだなと思う。はじめに演習ありき。 よく考えてみれば、BCMSの主テーマとされる地震や水害、インフルエン ザ・パンデミックだけでなく、QMSにとっての品質クレーム、EMSにとっ ての環境事故、OHSMSにとっての工場災害、これらもいきなりやってくる。 この「いきなり」を、演習で体験することで、組織の、あるいは個人の 対応能力を測ることができる。あれこれ議論したり分析したりする前に、 まずはじめに演習を体験してしまうことの重要性、これを最近の数日間 で痛感した。(中尾優作)
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