ISOコンサルタント:トップ > その他規格導入支援コンサルティング > ISO10002苦情対応マネジメントシステム
近年、急激なインターネットの普及により、グローバル化が進み、誰もが簡単に世界中の商品やサービスの提供を受けられるようになりました。しかし、国境を越えた電子商取引には言語や法律、商習慣の違い等様々な問題が存在します。国内であれば消費者保護の観点から様々な法律が適用されますが、国際取引の場合このような制度は適用されず、消費者を守る法律は存在しません。この様な問題を解決する為、1998年、チュニジアの第20回COPOLCO(消費者政策委員会)総会において「消費者保護分野に関するISO規格化」が提案されました。その後、苦情対応マネジメントとしてISO化され、世界規模で消費者保護を実現するガイドラインが発行されます。組織は、この苦情対応マネジメントを構築することにより、効果的な消費者保護の実現が可能になり、結果とした得た情報により製品・サービスの質を大幅に向上させることが可能になります。
COPOLCOでは「組織の行動規範」、「組織の苦情対応システム」、「組織の外部紛争解決システム」の3項目について規格化提案の準備に入ることが決議され、それぞれ、「ISO10001:2007 組織の行動規範に関する指針」、「ISO10002:2004 組織における苦情対応の指針」、「ISO10003:2007 組織の外部紛争解決システムに関する指針」としてISO化され、ISO9000シリーズファミリーの一つとして位置付けされています。。
それぞれの規格の特徴と、ISO10002は以下のような関連があります。
ISO10001:2007 Quality management-Customer satisfaction-Guidelines for codes of conduct for organizations
品質マネジメントー顧客満足ー組織の行動規範に関する指針
組織の行動規範を作成する為のガイドライン。組織は行動規範を示し、高いレベルにおいて自らを律し、法規制に頼らない消費者保護の実現を目指す。
例)化粧品販売の場合
約束 |
受付 |
維持・改善 |
蓄積されるデータ |
お肌に合わなければ開封使用後2週間以内であれば返品OK |
苦情・要望・返品を申し出る方法 |
受付データを収集し規範文書の変更を検討 |
受付データを検討・分析し改良・新製品開発を展開 |
ISO10002:2004 Quality management-Customer satisfaction-Guidelines for complaints handling in organizations
品質マネジメントー顧客満足ー組織における苦情対応のための指針(JIS Q 10002:2005)
組織の提供するサービス、及び製品に不満足を感じる消費者に対し、効果的に対応する為の組織体制と運用に関するガイドライン。苦情対応プロセスの枠組みと運用のあり方を示す。
ISO10003:2007 Quality management-Customer satisfaction-Guidelines for dispute resolution external to organizations
品質マネジメントー顧客満足ー組織の外部紛争解決システムに関する指針
組織に申しだされた苦情が解消されず、消費者の満足、了解が得られない場合を想定し、組織外部での早期紛争を解決する為の仕組み構築に関するガイドライン。消費者の選択肢を増やし、また、第三者が介入することによる客観的判断を得る事で、消費者及び組織を紛争から守り問題の早期解決を図る。
3規格関連図
ISO10002:苦情対応マネジメントシステムは、消費者の苦情を円滑に解決すると同時に、その情報を基に、製品・サービスの質を向上させる「品質マネジメント」の規格であり、ISO9000ファミリーの規格の一つとして位置付けられています。故にIOS9000シリーズとの整合性も図られておりQMSのプロセスに組み込むことも可能です。すなわち、ISO9001の7.2.3「顧客とのコミュニケーション」で求められている、苦情対応を含む顧客からのフィードバックの方法の効果的な実践方法を示すのがISO10002となります。また、QMSについて考えると「顧客満足」を得るための情報源としての活用も期待できます。
ISO10002はISO9001やISO14001のマネジメントシステムとは違い審査登録制度はありません。故にISO10002をベースに構築した苦情対応マネジメントシステムを組織外に公表するには「自己適合宣言」を実施する必要があります。
自己適合宣言を実施する場合、以下のような方法があります。
組織の内部監査などでISO10002との適合を確認し宣言する。(監査記録を残す)
信憑性を確保する為、第三者(ISO審査登録機関やISOコンサルティング会社)により評価をしてもらい(評価であり審査ではない)
第三者評価報告書(意見書)を発行してもらう。
JIS Q 17050(適合性評価ー供給者適合宣言)に基づき適合宣言書を作成する。
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